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◆Dr.プリズナー◆

第1巻相当(1話2話3話・4話)

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警察から逃げる冬間

街中では警察のサイレンの音が鳴り響いています。

脱獄した死刑囚である冬間を探しているのです。

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冬間は黒いパーカーを頭からかぶり、周りの様子をうかがっています。

世の中を敵に回してしまっている冬間ですが、手術をしてもらって命を助けてもらったつぎはぎだらけのネズミだけが、嬉しそうについていいきます。

脱獄事件は世間的に公表されていない

女医の月島は病院のベットの上にいました。

月島はネットやテレビの報道を見ながら、納得できない状況を確認しています。

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少し前、月島の元に警察が来ていました。

警察は『脱獄事件のことは他言無用』と言ってきたのです。

月島にとっては驚きの話でした。死刑囚が脱獄しているわけです。それを秘密にしろというわけですから。

警察は『市民の不安を煽りたくない』と説明。騒ぎになる前に内密に収めることをベストだと考えています。

一連の事件のことを知っているのは、月島と、負傷者を受け入れてくれた院長の2名だけだとのこと。

全力を尽くして脱獄犯を捕まえるからご安心ください・・・とのことでした。

脱獄を手助けしたのは自分

月島は手錠のカギを手に持ち悩みます。

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月島の手錠を外すために協力したのは他でもない自分です。脱獄の手助けをしたということになります。

あの時、心臓にたまっていた血を抜くためには、どうしても冬間の手錠を外し、血を抜くための手術をしてもらうほかありませんでした。

そうはいっても犯罪であることには変わりありません。

何だか黒い院長

月島の病態を心配して院長が見舞いに来ました。

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『早く治してまたバリバリと働いてくれたまえ』

という院長に月島は

『受け入れた負傷者の中に脱獄を図った犯人は・・・いませんよね?』

そう尋ねる月島に、

『月島くん』
『今は治療だけに専念するんだ』
『この件に関しては私と警察に任せたまえ』
『いいね?』

そう強く言ってきました。

不審に感じる月島でしたが、それ以上何も言うことができませんでした。

警察と院長との取引

院長は警察と取引としてお金を受け取っていました。

病院にテロリストの負傷者を受け入れたことで『機密保持』の見返りとして警察から多額のお金が支払われていました。

警察の『体裁』や『威厳』のために支払われたお金のようです。院長にとってはかなりの収入となりました。

院長には病院を大きくするという野望があります。そのために、もっと多くのお金を必要とします。

院長は息子たちを迎えに来たついで、ベンチに座って、今後、どうすればいいのかを考えるのでした。

冬間は公園に隠れていた!

急に、娘の悲鳴声が聞こえてきました。

慌ててかけつける院長。

娘は公園に設置されてある遊具の中にお化けがいると言って怯えています。院長は中を覗いてみると・・・そこには一人の男が居ました。

その男を見た時、院長は思い出します。警察が言っていた脱獄した死刑囚の冬間だったのです。思いもよらぬところで出会ってしまい、院長は困惑します。

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冬間は中から出てくると、そのまま水道の所へ。

院長は慌てて息子たちに降りてくるよう叫びます。

冬間は興味がありません。顔を洗って立ち去ろうとします。

院長の息子が高所から転落!

父親から降りるように怒鳴られたため、息子2人は遊具から降りようとします。しかし、年下の息子は慣れてないせいで戸惑います。

そして、慌てて降りようとしたがために、足を滑らし、転落してしまいました。

『武っ!?』

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転落した息子の元へかけよる院長。抱きかかえると、手にベットリと血が付きます。よく見ると心臓の辺りから大量の血が流れています。見渡すと、スコップの先端に血がついています。

院長は、落ちた時にスコップが突き刺さったのだと理解します。

もう一人の息子に救急車を呼んでくるように指示を出します。

心臓を直接握ってマッサージする冬間

慌てふためいている院長。手を貸そうかという冬間に『さっさと失せろ!』と怒鳴りつけます。かわりに、耳の良い冬間は子供の状況をアドバイスします。

『心音の減弱・・・残念だったな』
『そいつの心臓は今、止まった』

確認してみると、本当に心臓が止まってしまっています。

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心臓近辺にスコップが刺さってしまったことによりおこったショック症状『心臓外傷』です。

院長は心臓マッサージと人工呼吸を試みます。ダメです。このまま時間がたてば蘇生はより困難になってしまいます。焦る院長。

『貸せ』

そう言って手術用のゴム手袋を装着した冬間は院長をどかすと、スコップで穴が開いた胸から、左腕を突き刺してしまいました。

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あまりの事態に驚く院長。

しかし、息子を見ると呼吸が戻り、蘇生されました。冬間は左手を胸の中に入れて、直接つかんで心臓をマッサージしているのです。

救急車が来ました。救急隊員も驚いています。しかし、時間がありません。全員がそのまま救急車に乗り、病院へ向かいました。

脱獄を手助けしたのは自分

病院のベットの上で横になる月島。

自分の命を助けてくれた冬間は今も逃げているのかなぁと考えています。

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冬間の脱獄の手助けをしてしまった月島。黙っていれば大丈夫かなと考えていましたが、もし、冬間がそのことを話してしまったら自分も捕まるのではと改めて心配になります。

そこへ、刑事2人がやってきました。刑事は脱獄した冬間を追うため、月島に話を聞きに来たんです。

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経緯を説明する月島。久我と呼ばれる男の刑事はそのことにあまり興味を持ちません。

『見つかってないんですよねぇ』
『鍵』

冬間の手錠のカギが見つかっていません。外した手錠は見つかっているのに、なぜか鍵が見つかっていません。

鍵などを持って行っても意味がないため、犯人が持っているとは考えにくい。そう思いませんか? と久我は月島に聞いてみます。月島は『さ・・・さぁ』ととぼけます。

しかし、久我は何かを見透かしたかのように『ホントォに知りませんか~~~?』と笑顔で月島を見つめるのでした。

医院長を脅す冬間

院長の息子の命を助けるため、冬間は心臓に手を差し込み心臓マッサージをしています。にもかかわらず、院長は死刑囚である冬間に

『まさか逃げ切れるとでも思っているのか?』
『このまま病院に着けば貴様は・・・』

そういう委員長に、逆に冬間は言います。

『知っているか?』
『人体は心音・脈拍・消化音・骨のきしむ音・・・』
『他のも細部に至るまでたえず”音”を鳴らしてる』

『まるで”オーケストラ”のようにな』

『だがオーケストラとは』
『調和がとれていて初めて成り立つ』
『このガキが鳴らす音は』
『今、まさに調和を乱し崩壊を起こしている』
『それはひどい雑音でな・・・』

冬間が言っていることは、院長にとってまったく意味の分からないことでした。

『わからないなら今から証明してやる・・・』
『だから誓え』

『今後、委員長として』
『オレにもっと患者をよこすとな・・・!!』

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頭を強く打ち付けた『急性硬膜外外血腫』

子供の容体が急変します。

救急隊員
『バイタルが落ちています!』
『血圧もどんどん下がってます!』

よく見ると、子供の頭部にあざがあります。頭部を強く打ち付けたことによる『急性硬膜外外血腫』です。

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頭蓋骨と脳を包む膜の間に出血してしまった状態です。

このままでは血が頭部で急速にたまり脳を押しつぶしてしまいます。

病院に着いてもまずCTを取らなければいけません。手術するまでに30分はかかります。間に合うかどうか怪しいところです。

冬間の手術を受け入れる院長

ランドセルの中にあった彫刻刀をつかって頭蓋骨の手術を行うと言い出す冬間。

『病院に到着するまで放置して』
『手遅れになってもいいのならそれでも構わんが・・・』

『出血は始まったばかりだ』
『だが数分後にその血は凝固し血腫になる』
『そうなればここでの摘出は不可能・・・』
『しかし、今なら骨折に沿って刃を入れ』
『血を抜くことができる』
『・・・どうする?』

『オレの耳ならCT無しで』
『今すぐ手術が可能だぜ?』

院長も医者であることからわかっています。このまま病院で正規の手術をおこなえば間に合わず何らかの障害が残る可能性があります。最悪、死もあり得るのです。

しかし、相手は死刑囚です。任せてしまってもいいのか!?

そんな時に、息子が彫った彫刻物が視界に入ります。

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医院長は

『失敗したら・・・』
『この場で貴様を処刑してやる・・・!!』
『それでも助けられるというのなら』
『手術してみせろ・・・!!』

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そういって、冬間に手術を任せるのでした。

頭を強く打ち付けた『急性硬膜外外血腫』

冬間は耳をたよりに手術を行うため、まず車を止めてエンジンを切ります。

そして彫刻刀の消毒。院長は彫刻刀を頭に固定して動かさないように制止させ、救急隊員は子供が動かないように体を抑えます。

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冬間の左手はまだ心臓をつかんだままです。右上でハンマーをつかみます。音を聞きながら、冬間はハンマーを振り落とし『ガン!ガン!ガン!』と彫刻刀を頭に突き刺します。

そして、冬間は彫刻刀を子供の頭から抜きます。頭からは脳を圧迫していた血が大量に噴き出しました。

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救急隊員
『! し、心拍数回復してます!!』

冬間の手術は成功です。

その後、病院に着いた子供は緊急の正規の手術を受けます。障害が残ることもなく、無事終わることが出来ました。

冬間と院長の取り引き

院長室で院長は冬間にお礼を言います。君でなければ助けることはできなかったと頭を下げます。

同時に、院長は理解してました。冬間がどういった人間かを。

院長は冬間にビジネスを持ち掛けます。

冬間が言っていた『もっと患者をよこせ』と言っていた件です。

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冬間にとって思いがけない返答でしたが、話を聞けば納得でした。

院長は新事業の立ち上げとして『特殊患者』を相手にした新しいビジネスを考えていました。

要は『訳アリ患者』です。病を公にできず故に救急車も呼べないそういった人たちは金になります。そういった訳アリの人たちの要請を受け直に治療に行くという新事業の医者として冬間を使いたいということです。

もちろん、法に触れています。バレたらタダでは済みません。院長は承知の上でやるつもりです。

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冬間は、それを臆することなく引き受けるのでした。

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