◆前回のあらすじ◆

自分たちを追い込んだエルフが、あの『狂乱の魔術師』出会ったことを知ったチルチャック。とても太刀打ちできません。

しかし、ファリンが連れ去られている以上、ライオスもマルシルも町に戻ることを賛成するとは思えません。

意識を回復したライオスは、怪我を押し切ってでもファリンを救出に行こうとします。

それを、チルチャックが必死に説得し、何とかライオスを納得させることに成功します。

炎竜を倒し、一時はファリン救出に成功したライオスたちでしたが、最終的にはファリンを取り返すことはできませんでした。

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◆ダンジョン飯◆

1巻/2巻/3巻/4巻/5巻/6巻/7巻/

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4巻22話23話24話25話26話27話28話
5巻29話30話31話32話33話34話35話
6巻36話37話38話39話40話41話42話
7巻43話44話45話46話47話48話49話
8巻50話51話52話53話54話55話56話
9巻57話58話59話60話61話62話・63話)

最新『ダンジョン飯』

形を変える迷宮

ファリンの救出をいったん諦めて、一度地上へ帰還することを決めたライオスたち。

しかし、それから2日・・・・・。

『行き止まりだ』
『また行き止まりだ』
『・・・・・・・』

チルチャック
『くそっ、なんだよ』
『こんな壁、来た時には絶対なかったぞ』

(地響き)ズズズズズ・・・!

マルシル
『迷宮が動いて形を変えてる・・・・・』
『多分あの魔術師の仕業・・・・・』
『私たちを警戒してるのかも・・・・・』

このままでは埒があきません。

チルチャックは多少無理をしてでも・・・と壁をよじ登ろうとしますが・・・・・上空には飛竜が飛び回っています。目立つ行動をとっては攻撃の対象にされかねません。

チルチャック
『地道に・・・道を探すか・・・・・』

敵が増えてきた

それにしても・・・周りを見渡してみると、何だか街が活気づいてきました。魔物が多数出現しているのです。

ライオス
『元々この階層には魔物が多い』
『今まで出会わなかったのは幸運だっ・・・’(ズキッ!』

ライオスは痛めた胸の傷がまだ完治していません。パーティーは危機的な状況に陥っていました。

食事を担当しているセンシも頭を痛めます。料理をしたくとももう食材がありません。この2日間、まともな食事を用意できていないのです。

怪我をしているライオスも、体力が無いマルシルも疲れがたまってきていました。

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襲い掛かる『ドライアドの花』

チルチャック
『ん? なんか・・・・・』
『甘い匂いがする・・・・・』
『花の香りみたいな』

花が咲いている場所なら水場がそばにあるということです。食材になるものがあるかもしれません。体力が残っているチルチャックとセンシが先行して、その場所を探します。

先に進むと木や花が生い茂っている場所に出てきました。

周りを見渡していると、声が聞こえてきます・・・・・

そこには、服を着ていない人間が3人・・・・・。

何やらまずい場面に遭遇してしまったと、センシは慌てて子供のチルチャックの目を覆います。

かと思いきや、その3人は、センシたちに襲い掛かってきました。

いきなりの事態に動揺するセンシ。

そこへかけつけたライオスは剣で切り付けます。

ライオス
『武器をとれ!』
『こいつら人間じゃない!』
『ドライアドの花だ!』

先ほどライオスが切り捨てたドライアドの花が大量の花粉を噴出しました。

その花粉を吸いこんでしまったライオスとセンシは・・・・・完全に花粉症の症状に!

くしゃみと鼻水がヒドく、目もかゆくて涙も止まりません。

そんなセンシに襲い掛かってくる2体目のドライアドの花。

センシは完全に目が使えない状況になってしまっています。

そこで、チルチャックがセンシの目の代わりとなり、センシの行動に指示を出します。

チルチャック
『・・・センシ、手を伸ばせ』
『オレの合図でそれを後ろにたたきつけろ』

『いち・・・にの・・・・・』

うまくタイミングを合わせることに成功し、2体目のドライアドの花も倒すことに成功します。

しかし、噴出してきた花粉に、チルチャックも目をやられてしまいました。まともに見ることができません。

そこへ襲い掛かる3体目のドライアドの花。

センシ
『チルチャック、お前がわしの目になれ』

チルチャック
『無理だよ、何も見えない』

センシ
『お前には優れた五感があるだろう!』

花粉で目が開かない状態のチルチャックは必死に集中します。

チルチャック
『・・・・・風!』
『くしゃみをさけて右斜め後ろに逃げた!』
『このままふりあげろ、センシ!』

何とか二人の連携で、3体目のドレイアドの花を倒すことに成功するのでした。

今回の食材

奥で待機していたマルシル。

そこへ3人が戻ってきます。

センシ
『こっ・・・こ・・・』
『この中は安全だ・・・・・』

マルシル
『嘘をつけ!!』

花粉を落とすために、水のある場所で必死になって顔や目を洗う3人。

センシ
『しかし、花の魔物とは・・・・・』
『すっかり人間の男女かと思ったわい』

ライオス
『ドライアドは単性花だから男女には違いない・・・』
『あ、ひょっとすると・・・・・』

そういって、草むらの中を調べます。

その姿を見て警戒するマルシルとチルチャック。

チルチャック
『・・・どうする、アレ』
『殴って止めたほうがいいんじゃないか?』

マルシル
『・・・でも私達いよいよ贅沢言ってられないし』
『花が人の形をしてるからって』
『今更それが何?って感じ・・・・・』

疲れと空腹で、マルシルもかなり肝が座った状態です。

さすがに脳が停止してしまうマルシル・・・・・。

本を開いて何かを探します。

マルシル
『時・・・・・さかのぼる・・・・・』

チルチャック
『やめろ!!』
『さらっとヤバそうな魔術を探すのは!』

周りを見渡すとそれなりに食材となりそうなものが色々ありました。花や果物、マンドラゴラ、きのこもあります。なかなかの収穫です。

今回はこれらの食材を使って料理を作ることになりました。

ポタージュとドライアドのチーズかけ蕾ソテー

そして、今回の料理がこれ。

不満を語りながらも食事を受け取ります。

マルシル
(わっ甘い・・・ほんのり花の香りがして)
(まったり濃いのに口どけがいい・・・・・)
(これ・・・好き・・・・・)

黙ってモクモクと食べるマルシル。

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今後の予定と、センシの性の授業

チルチャック
『・・・にしてもどうやって脱出したもんか』
『このまま永遠に出られなかったりして』

マルシル
『地上までの通路を完全に遮断するのは』
『魔力の流れを絶つことになるからないと思う』
『どこかに抜け道はあるはず』

チルチャック
『迷宮の変化にはなんかの法則とかないのかな』

マルシル
『それだ!』

ライオス
『地鳴りの感覚と地図を記録してみよう』

チルチャック
『なんとかなるような気がしてきた』

マルシル
『お腹いっぱいになると少し楽観的になるね』

そんな会話を、センシは笑顔で見つめます。

食事が終わった後、マルシルはライオスに魔法を覚えるようにと提案します。

マルシル
『私達、強くならなくちゃ』

そういうマルシルの目に決意のようなものを感じ取ります。

ライオス
『・・・・!』
『うん!』

そう言って、2人は魔法の勉強を始めるのでした。

それを少し離れたところから見つめるセンシとチルチャック。

何だかずっと子ども扱いを受けているように感じているチルチャックはセンシに不満を語り始めます。

チルチャック
『・・・だから俺を子ども扱いするのやめてくれる!?』
『いたたまれないの!』
『大体、なんで魔物の前でオレの目を覆ったよ!?』
『結果的に助かったけど』

センシ
『そうか・・・チルチャック・・・』
『以前に父親を亡くしていると言っていたな』

チルチャック
『それがなんだ』

センシ
『そうか・・・・・』

唐突に始まってしまった、センシの性の授業。

こうして、彼らの夜はふけていくのでした・・・・・。

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◆感想◆

リレミトでも使ってすぐに地上へと考えていましたが、どうやらマルシルは帰還魔法を使えないようですね。魔力が回復したら使えるのかなとも思いましたが、それなら魔力の回復を待つだけで、移動したりしませんよね。どうやら地道に歩いて地上を目指していくようです。

『下に行くほど敵が強くなる』といった構造のようなので、後になればなるほど戦闘が楽になる分、進行速度は来た時よりはだいぶ早いものと思います。しかし『迷宮が動いている』ってのが気になるところ。もしかしたら、もう今までの常識が通用しない何かが起こっているかもしれません。そうなりますと、地上に戻るのも簡単ではなくなってくるかもしれませんね。

まぁ何にしても、今回、今まで通りのダンジョン飯で安心しました。

炎竜以降は『ダンジョン飯』の要素が少なくなってきていましたからね。このままダンジョン飯要素が少なくなって、シリアスや戦闘が目立って多くなってくるのかなぁと考えていましたので。個人的には、今まで通りのダンジョン飯が戻って来て、何だかうれしく思えます。

これでファリン救出に成功していたらなおよかったのですが・・・。果たしてファリンが再び仲間として戻って来れるのはいつになるんでしょうかねぇ・・・・・。

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