ジャダのところへ髪を切ってもらいに来たハクメイ。ミコチも一緒についてきています。

短く切ってもらって、ハクメイもサッパリです。

ミコチは近くの本の上に置かれてあった公演のチラシに気が付きます。

ミコチ
『今マキナタに来てますよね』

ジャダ
『役者のカーネリアンだよ』
『彼とは顔見知りでね、会いたくないんだ』
『見かけたら追い払ってね』

暗い顔で頼むジャダ。

ミコチ
『手配書がわりですか』

ジャダ
『お茶でもいれようか』
『裏で水くんでくるね』

ミコチ
『手伝います』

そういってジャダとミコチは外へ行ってしまいました。

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ジャダを訪ねてきたカーネリアン

一人でくつろぐハクメイの元へ、一人の男が現れます。

???
『ごめんください!!』
『なるほど、ジャダらしい店構えだ』

ハクメイ
『あんた、カーネリアンか!?』

カーネリアン
『いかにも、はじめまして』
『髪を切ってほしいんだ、ジャダはどこだい?』

ハクメイは先ほどジャダが言っていた言葉を思い出します。『見かけたら追い払ってね』対応に悩むハクメイ。

ハクメイ
『・・・出かけてるんじゃないかな』

カーネリアン
『そうか、仕方ないな』
『俺は表で寝てるから帰ってきたら知らせておくれ!』

そう言って、表に出て、入り口近くで昼寝をしてしまいました。

ジャダの変装

ハクメイはこっそり外に出て、ジャダとミコチがいそうな場所へやってきます。

ハクメイ
『悪い、ありゃ追い払えん』

ジャダ
『うん、全部聞こえてた』
『昔からやけに絡んできてね』
『すっごい苦手なんだよね』

『どうしよう、髪切るまで帰りそうにないし・・・』
『いっそ、一週間ほど旅に出ようかな・・・』

ハクメイ
『そんなに・・・・・』

見かねたミコチは策を考えます。

ミコチ
『ジャダさん、髪切る時のクロス』
『あれ、一枚潰しちゃってもいいですか?』

『ハクメイはさっき切って床に落ちた』
『ハクメイの毛を編んで』

ミコチは変装して何とか対応しようと考えたのです。

変装したジャダは弟子の『ジェダ』を演じる

変装したジャダたちは、寝ているカーネリアンの前に現れます。

そして、ハクメイはカーネリアンにジャダの弟子として紹介します。

ハクメイ
『この人は弟子の・・・ジ、ジェダだ』

カーンリアン
『むん!?』
『なぜ口元をかくしているんだい?』

ハクメイ
『風邪だ、風邪』
『声がほとんど出せないから私が代わりに喋るぞ』

『(師匠は今日は帰りません)』

カーネリアン
『なんと!』

ハクメイ
『(急ぎでしたら私が)』
『(代わりに切りましょうか)』

カーネリアン
『よし、頼もう!』
『ジャダの弟子なら安心だ!』

こうして、ジャダの弟子を演じるジャダがカーネリアンの髪を切ることになりました。

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カーネリアンの髪を切る

どういった髪形にするのかと聞かれたカーネリアン。

カーネリアン
『今、公演でオレのやっている役が』
『名家の御曹司という設定でな』
『少しキザだが、派手すぎずに上品に』
『美しさとたくましさをかねそろえたいい感じにしてくれ!』

今まではずっと髪を固めてカツラをかぶって演技をしていました。

風の噂でジャダが店を開いたと聞き、ジャダに切ってもらおうと、ずっと切らずにいたのです。

ハクメイ
『(弟子でごめんなさい)って』

カーネリアン
『気にするな!』

ジャダとカーネリアンの出会い

ハクメイはカーネリアンに、ジャダとの出会いを聞きます。

ハクメイ
『ジャダとはいつ知り合ったんだ?』

カーネリアン
『美容学校の同期であり、心の友さ!』

それを聞いて、そのころの話を聞きたいというハクメイとミコチ。

カーネリアンは美容学校時代の頃を話し出します。

その当時、カーネリアンは不真面目でしたが、ジャダは片時もハサミを離さず、いつも一人でモクモクと練習を続けているような真面目な生徒でした。

カーネリアンは、そんなジャダをよく誘いましたが、ジャダはいつも相手にしてくれませんでした。

『それって・・・』
『ただの同級生じゃ・・・』

カーネリアン
『心の友だよ!』
『恥ずかしがり屋だっただけさ!』
『それが今はこうやって店を開き』
『友と弟子に囲まれている、俺は嬉しい』

何だか勘違いしっぱなしでイラつくジャダ。

ハクメイに伝言をつたえます。

ハクメイ
『えっと、(師匠は・・・)』
『(恥ずかしかったんじゃなくて)』
『(うっとうしかったと言ってましたよ)』

カーネリアン
『ああ、だろうな!』
『しかし嫌いだとは言われていない!』
『よかった!』

カーネリアンはそれをものともしませんでした。

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髪の綺麗な同級生

カーネリアン
『俺はどうにも雑なようでね』
『ジャダがうっとうしく感じるのも納得だ』
『でも、学生の頃に髪を切ってくれとは一度も頼めなかったよ』

ハックメイ
『なんで?』

カーネリアン
『なんでだろうな』
『彼女が練習しているさまを見ていると』
『友が気安く頼むことではないと思ったんだ』

ジェダ(ジャダ)はハクメイの口を通さず、自分で語ります。

ジェダ
『・・・師匠が言ってたよ』
『髪の綺麗な同級生がいて』
『一度切ってみたかったって』

カーネリアン
『そうか、それが俺だといいな!』
『しかし、キミは名前もそうだが声まで似ているな!』

公演への招待

そして完成。

カーネリアン
『うむ、素晴らしい!』
『ますます男前だ!』

カーネリアンは髪を切ってくれたお礼として、3人に公演の招待券をプレゼントします。

そして、髪を切ってくれたジェダにはバラをプレゼントします。

ジェダ
『師匠に渡しとくね』

カーネリアン
『いいや、それは君への贈り物だよ』

『相変わらず鮮やかな手さばきだった』
『本当に弟子をとってもいいんじゃないか?』

カーネリアンはジェダがジャダだということに気づいていたのです。

カーネリアン
『また会おう、ジェダ!』
『公演、観に来ておっくれよ!』

そう言って、カーネリアンは帰っていきました。

ハクメイ
『バレてたみたいだな』

ジャダ
『ぜっ、たい、行かない』

ジャダは顔を赤らめ、一言そう言うのでした。

◆感想◆

ジャダは一人の世界を好むタイプなのでしょうね。だからどうしてもかまってくるカーネリアンをうっとうしく感じてしまいます。

カーネリアンはそれを理解した上で、ずっとジャダを追いかけてきたようです。多少嫌われていようとも追いかけて来るだなんて、なかなかに一途でいかした男ですねぇ。とても好感が持てます。

果たしてジャダが心を開いてくれる日は訪れるのか・・・・・。

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