>クラピカ
6人の王子が敬語を求めて
プロハンターを優先して募集している
申し込み方法はプロハンターの場合
境界の登録番号を入力することが必須で
『二軍申請(かけもち)』は即失格となる
>バショウ
自分を隠して登録するのなら?
>クラピカ
レベルが落ちる
王子の身辺からは離れた任務になってしまう
6人の王子の中に標的がいる可能性も0ではないし
いなくとも王子に最も近づける状況に変わりはない
そこで
それぞれの王子の警護に潜入してもらう
>イズナビ(師弟関係)
依頼が渡航の一ヶ月前とはいかにも遅い・・・
しかも6つがほぼ同時だ
「何か」があってその対応策って
感じがアリアリだな
>ハンゾー(同期)
俺はこの中に標的はいないと思うぜ・・・
NO1とNO4は母親と同じで
いわば王子のベテランだろ
信頼できる施設の軍隊ぐらいもっているだろう
>バショウ(ノストラード組)
同意だな
報酬で釣るのは素人だ
経験の浅い若妻・・・
5から8
>センリツ(ノストラード組)
それは好都合だと思うの・・・
こちらが懐柔しやすいわ
信頼を得られれば上野王子にも近づける
>ビスケ(キルア経由で依頼)
いいえ
継承問題が絡んでいると事は厄介よ
危険因子の排除とかチョーキナ臭いわさ
>クラピカ
私が望むのは「第4王子をできるだけ近くで見るための有益な情報」だけだ
それ以外の判断は個々に任せる
>バショウ
できるだけってのは具体的には?
>クラピカ
理想は接触できるくらいの距離だ
それによって使用可能な能力の種類と精度が増す
極端な話、前夜祭で私が第4王子と悪手できたら
君たちは乗船をキャンセルして構わない
>ビスケ
ちょっとお待ち
そのキャンセルは警護のことで
あなたの依頼の事ではないわよね?
警護の依頼に申請が済めばもう貴方との契約は成立でしょ
成功した時の報酬はキッチリもらうわよ?
>クラピカ
もちろんそれで結構だ
普通の理解力があれば確認は不要だと思うが?
>ビスケ
あんたねぇ自分で自分をどう思ってるか知らないけど信用できませんから!
>クラピカ
初対面で過剰に猫を被るような人間には言われたくないな
>ビスケ
は!?(怒り)
>(キルアの忠告を思い出すクラピカ)
オメーの事だからおろらくビスケとはもめるだろうけど
簡単にうまくつきあえるコツを教えとく
俺はわかっていてもムリたったけどキモくてさ
キモイけどやれるならやった方がいいよホントキモイけど
>(クラピカ)
・・・・・
仲間を取り戻すためなら・・・
>ビスケ
はいっ
(何でもします!)
>クラピカ
では所定の依頼主へ各々データを送信してくれ
>(クラピカ)
依頼主は後から正妻に加わった者たちの子供・・・
いや・・・そうとは限らない
もっと複雑な立場におかれている者もいるし
それ以上に我々の知る由もない事情があって当然
6件ともほとんど変わらない依頼内容と条件ではあるが
わずかな違いからでも本命へ近づける可能性があるならば
ただの6択と思考を停止するわけにはいかない・・・!
一番早く依頼をした者・・・
着に一番後で依頼をした者・・・
報酬が最も高い者・・・
逆に報酬のつり上げ合戦には最初から加わっていない者・・・
早々に離脱した者
採用条件にいくつも注釈がある者
全く無い者
審査の行程を明記しておく者
完全に秘密にする者
面接の有無etc・・・
この中で最も標的に近づけるのは・・・
王子が直々に面接をするという項目が
成熟と自信を表している
それが2名いる・・・
一人は競合の結果最高報酬を提示し
もう一人は報酬額を変えていない
①釣り上げに勝利して最高報酬を設定した者は
負けん気が強く力を誇示するタイプ
②最初から報酬額を変えなかった者は
自尊心・自制心が強く相手にもそれを求めるタイプ
だと予想される・・・
このプロファイルに最もあてはまるのはハルケンブルグ王子・・・!
このどちらかがハルケンブルグ王子だとオレは確信する!
15歳で飛び級により世界最高峰のミワル大学へ入学
ブル地学を勉強する傍らアーチェリーの世界た大会で銀メダルを獲得
王子の中でも抜きんでたスペックを誇るが
生来母親とも2人の姉とも折り合いが悪く不遇だったと本人が公言している
歯に衣着せぬ王宮批判に国王も持て余し気味
小学校途中から全寮制の学校へ編入したのは
流刑とも暗殺からの避難とも噂されている
その彼が「王子の中で唯一認めるのはツェリードニヒだけ」と
自身のフェイスボックスに記した事がある
強い不満と疎外感の中で
ただ一人共感できる相手ならば・・・
離れていた間も連絡を取り合い
船の中で再開する可能性は高い
もう一人はプロファイルから
第6王子か第10王子かと予想される
自ら面接に乗り出す理由としては
少々弱いが両者とも護衛はルックスで選ぶことが知られていて
SNSでの発言を読む限りプライドも高い
しかしどちらにしてもツェリードニヒとのつながりは薄そうだ・・・
やはり何としても何としてもハルケンブルグを引き当てる!
>イズナビ
クラピカ、ほかのみんなは送信したぞ
あとはお前とお前が選ばなかった方に行く俺だけだ
>(クラピカ)
最初の感覚に従おう・・・
おそらくハルケンブルグは自分にも他人にも厳しい性格
ゆえに、コチラの方だ
>イズナビ
OKじゃ俺はこっちだな
>ハンゾー
さっそく俺には返事が来たぞ
ホイホイホテルに午後7時
>バショー
こっちもだ
説明会があるらしい
>クラピカ
私にも来たが場所が違うな
ホイコーロ一族が経営するホテルには違いないが・・・
何か手篝が来たらすぐに連絡をくれ
依頼主から情報統制の指示が出た場合は
予定通り「Q」を使う
>全員
了解
【Qとは】
協会が独自に保有する電話局に9ケタの数字を送信し
受け取り側は特殊な解析ソフトを使い除法をやり取りする
発着履歴、通話記録も残らず通常の盗聴システムには
データとして拾われない
==========
(約束の場所にたどり着くクラピカ)
>クラピカ
第・・・14王子ワブル王子・・・
>オイト
初めましてワブルと母のオイトです
>クラピカ
クラピカと申します
>オイト
どうやら失望させてしまった様ですね
>クラピカ
! いえ決してそのような事はありません
>オイト
いいのです
その方が私たちの望む心材である可能性が高いのですから
>クラピカ
? それは一体・・・?
>オイト
私たちが望む人材・・・それは
あの要項をみて依頼主がハルケンブルグ王子だと
予想しやってきた者
少ない手がかりからでも
目的にたどるつける者です
あの依頼項目にはルールがあり
どの王子かが特定できるような書き込みは許されませんでした
変更が許されるのは報酬額のみで
他の項目は決まったフォーマットから選ぶだけです
理由は王子が特定できてしまうと
暗殺を企む者が潜入しやすい点・・・そして
人気の高い王子に人が集まるのを防ぐ狙いです
その両方にあてはまるのがハルケンブルグ王子
彼はそれをわかっていておそらく
もともと依頼を出していません
>(クラピカ)
・・・そうだったのか
>オイト
ハルケンブルグ王子は非常に厳しい方です
自分にも他人にも
ルール上できませんでしたが
彼を知る者が彼を装うならば
報酬額をゼロにするのが正解だと思うでしょう
彼は王族政治を根本から変えようと思っています
その姿勢に内外から支援者が集まっていて
勢力は徐々に強まっています
それ故に暗殺の噂は絶えず
支援者の中にも彼を利用し
形を変えただけの独裁国家を作ろうと画策する者達もいます
彼の支援調査団体を通さずに近寄ろうとする者の殆どは
暗殺者か偽支援者と言っていいでしょう
しかし私たちにとってはその方が好都合なのです
ギブ&テイクが成り立つから
彼の命を狙う者は私たちを守っている間
そのチャンスを維持できますし
彼を操ろうとたくらむ者は彼の弱みを握る事ができます
>クラピカ
? どういう事です?
まったく意味が分かりませんね
普通に集まってきた志望者では何故駄目なんですか?
報酬が目的でもプロは職務を全うしますよ
よこしまな動機で近づく輩よりも頼りになるはずです
>オイト
いいえ、今回に限りそれはありません
護衛のプロはいかに用心を守るかに特化してはいますが
積極的に誰かを殺す訓練は受けていないはずです
>クラピカ
! それは・・・危険因子の排除・・・の件ですか?
はい
今回の渡航は王子が残り一人になるまでの
殺し合いの旅です
>クラピカ
!!
>オイト
ある程度の権力も財力も有する上位の王子は
私設の軍隊を持ち用意も周到で
今回の継承戦を歓迎しています
>クラピカ
反対する者や拒否する者はいないのですか?
お話を聞く限りあなたは反対のはず・・・
>オイト
もちろん抜けられるものならばそうします
ホイコーロ国王は妻と子供たちにも
王の一族に相応しい振る舞いを強く求めます
「王の子」を育てるのが妻の役目
「やがて王になることを信じて疑わない」
それが「王の子」です
>クラピカ
・・・・・
>オイト
王になれる機会が来て当然と考え
そのチャンスを自分がものにして当然と考えるのが王の子
その機会を自ら放棄する事などあってはならない
「それはもう”王の子”ではない」と国王に教え込まれております
敗走者の末路は想像に難くないでしょう?
最も立場の弱い私たちの切り札がハルケンブルグ王子です
次期王となりその経緯に今回の継承戦あった事が公になった場合
最もダメージを受けるのは彼が王になった時だから・・・
彼を脅すには十分な爆弾の証言者(スイッチ)として
私たちの安全を買うしか手が無いのです
あなたがどの立場で来られたのかは問いませんが
依頼を引き受けていただけるならば
私たちが無事に船を脱出できた場合
10倍の報酬をお支払いいたします
ここでの話を内密にしていただけるならば
このまま帰られても提示した報酬額はお支払いいたします
無理強いできる立場ではないので・・・
>クラピカ
・・・私は・・・あなたが今おっしゃった
いずれの立場でもありません
ただ、もしもこちらの条件を飲んでいただけるならば
全力でお二人をお守りする事を約束いたします
(説明・・・)
>オイト
わかりました
やってみます
殺し合いと言っても他の乗船客もいるし
おおっぴらにやる訳ではありません
表向きは平静をとりつくろい
他のVIPとの晩餐会やパーティーも催されるはずです
すれ違う位のチャンスは作れるとは思います
ただご存知かも知れません
表面上平等な分、裏では厳格な差が上位と下位の妻との間には存在します
王子同士も同様でそれを破ることは大変困難です
>クラピカ
承知しています
安全のためにも決して無理はしないで下さい
>オイト
・・・愚かな私は貧しい家の出身で・・・
国王に見初められたときには
強く正妻にこだわりました
当時、夢想し求めたものは
富と名声にまみれた浅ましく贅沢な生活でした
でもワブルが生まれ今回の運命を知り
心底・・・後悔しようやく何が大切か気づいたのです・・・
娘を・・・抱いていただけますか?
もう・・・戦いは目の前に・・・・・