助けるのは調査兵団団長エルヴィン
瀕死の重傷を負ったアルミンと調査兵団団長のエルヴィン。
リヴァイはエルヴィンに巨人の注射をし、助けることを選びます。
その決断に、目の前に立ち怒りの講義をするエレン。
涙目でブレードを抜くミカサ。
どちらの命を助けるかで、緊迫した空気が流れていました。
リヴァイに抗議するエレン
『お前ら・・・』
『自分で何をやっているのか・・・』
『わかっているのか?』『エルヴィンを、調査兵団団長を』
『見殺しにしろと言っているんだぞ?』
リヴァイのその言葉に、エレンとミカサは返事が出来ません。
エルヴィンに注射をしようとするリヴァイに、エレンは箱をつかんで離しません。
私情を捨てろというエルヴィンにエレンは納得できません。
さきほど、アルミンに注射をと言ったエレンに、リヴァイはすぐに注射を渡そうとしなかったからです。
リヴァイは『エルヴィンが生きている可能性が頭にあったから』だと説明しますが、今回のように瀕死のエルヴィンが連れてこられるだなんてことは予想外だったはずです。
それでも、エルヴィンがいる以上、エルヴィンに使うと主張するリヴァイ。
エレンは途方に暮れると同時に、注射の箱をリヴァイから奪おうとします。
とっさにエレンを殴りつけるリヴァイ。
リヴァイから箱を奪おうとするミカサ
エレンが殴り倒されるのと同時に、ミカサはリヴァイに飛びかかります。
そして、リヴァイの首元にブレードをあて威嚇!
リヴァイは負傷しており、力が弱まっていました。
リヴァイはミカサに言い聞かせます。
『お前らもわかっているハズだ』
『エルヴィンの力無しに人類は巨人に勝てないと』
エルヴィンをここまで連れてきたフロックも、ミカサを説得しようとしますが、ミカサはそれを聞き入れる気はありません。
エレンが考えるアルミンを助けなければいけない理由
エルヴィンの重要性を説くリヴァイに対し、エレンもまたアルミンの重要性を主張します。
『アルミンがいなくたって無理だ・・・』
『アルミンがいなきゃ勝てない・・・』
『だって、そうだったでしょう・・・?』『トロスト区を岩で塞いで守ることができたのも』
『アニの正体を見抜いたのも』
『夜間に、進行することを思いついたのもアルミンだ』『潜んでいたライナーを暴き出したのも』
『ベルトルトを倒すことができたのも』
『全部・・・アルミンの力だ!!』
エレンのその言葉に後押しされ、ミカサもまた、リヴァイに注射を渡すよう強く迫ります。
フロックがエルヴィンをここまで連れてきた理由
瀕死のエルヴィンを連れてきたフロッグはミカサやエレンに言います。
『人類を救うのはエルヴィン団長だ!!』
『お前らばっかりが辛いと思うなよな』
『まだ知らないだろうけど』
『あの壁の向こう側に生きている兵士はだれもいねぇ』『獣の巨人にみんな殺されたんだ』
『遠くから飛んでくる石礫に』
『みんなグチャグチャにされた』『誰も助からないと思った』
『でもエルヴィン団長だけは違った』
『あの状況で獣の喉笛に食らいつく算段を建て実行した』『俺たち新兵の命を囮にしてな』
『すべてはリヴァイ兵長獣を奇襲するためだ』
『まだ息のあるエルヴィン団長を見つけた時は』
『とどめを刺そうとした』『でも、それじゃ生ぬるいと思った』
『この人にはまだ地獄が必要なんじゃないかって』『・・・そして、わかったんだ』
『悪魔を再びよみがえらせる』
『それがオレの使命だったんだ!』『それがおめおめと生き残っちまった』
『オレの意味なんだよ!!』『だから!!』
『ジャマするなよおおおおお!!』
そういってミカサに突進するフロック!
ブレードを構えるミカサ!
『よせ!!』そう言って止めようとするリヴァイ!
そこへかけつけ、ミカサを止めたのはハンジでした。
そして、ジャンとコニー。意識を失い背負われているサシャ。
エルヴィンの必要性を説くハンジ
ミカサを後ろから羽交い絞めにしたハンジは、エルヴィン、アルミン、ベルトルトが倒れているのを見て、状況を理解しました。
『・・・何てことだ』
リヴァイは注射を出し、リヴァイに刺そうとします。
『うわあああああああああ』
ミカサは泣き叫んで暴れます。
それを必死に抑えるハンジ。
『ミカサ!』
『私たちにはエルヴィンがまだ必要なんだ!!』
『調査兵団はほぼ壊滅状態!!』
『団長まで死んだとなれば』
『まだエルヴィンの経験と統率力が・・・・・クッ!!』
ハンジはミカサを必死に説得するのですが、ミカサはそれでも受け入れようとせず抵抗を続けます。
『私にも・・・生き返らせたい人がいる』
『何百人も』『調査兵団に入った時から、別れの日々だ』
『えも・・・わかっているだろ?』
『誰にだっていつかは別れる日がくるって』『とてもじゃないけど受け入れられないよ』
『正気を保つことさえままならない』
『辛い・・・辛いよ・・・わかってる』『・・・それでも』
『前に進まなきゃいけない・・・・・』
エレンの必死な想い
エレンはリヴァイの脚にしがみつき、必死に訴えかけます。
『・・・兵長』
『海・・・って、知ってますか?』
『この壁の向こうにある海を』
『いつか見に行こうって・・・』『でも、そんなガキの頃の夢は』
『オレはとっくに忘れてて』『母さんの仇とか、巨人を倒すこととか』
『何かを憎むことしか頭になくて』『でもコイツは違うんです』
『アルミンは戦うだけじゃない』
『夢を見ている!!』
リヴァイの決断
リヴァイの出した決断に、全員従います。
エレンはフロックに担がれ連れていかれます。
リヴァイはアルミンがエレンに語っていた海のことを思い出します。
『地平線まですべて塩水!!』
『そこにしか住めない魚もいるんだ!!』『エレンはまだ疑っているんだろ!?』
『絶対あるんだから! 見てろよ!』
リヴァイはエルヴィンとの会話を思い出します。
『お前の夢ってのが叶ったら』
『そのあとはどうするの?』
そう聞くリヴァイに、エルヴィンは答えます。
『それは・・・わからない』
『叶えてみないことにはな』
そして、エルヴィンが最後に望んだこと・・・。
『オレは・・・・このまま・・・・』
『地下室に行きたい・・・・・』
リヴァイはエルヴィンの腕に注射をしようとします。
すると、エルヴィンは腕を振り上げるようにしてこう言います。
『先生・・・・・』
『・・・に・・・・いないって・・・・』
『・・・やって調べたんですか?』
エルヴィンには意識があるようには見えません。
リヴァイはエルヴィンとの最後の会話を思い出すのでした。
『夢を諦めて死んでくれ』
『新兵たちを地獄に導け』
『獣の巨人は、俺が仕留める』
エルヴィンはリヴァイに注射を渡します。
そして言います。
それは、全てのものから解放されたかのような、安らかな笑顔でした。
地獄から解放されたエルヴィン
大きな音で意識を取り戻すベルトルト。
屋根の上に取り残されているベルトルトに、巨人が迫っていました。
驚くベルトルト。
腕と脚が無いため、逃げることができません。
巨人はベルトルトをつかむと、食べろうとします。
ベルトルトは、周りにいたエレンたちに助けを求めます。
しかし・・・エレンたちの表情をみたことで、自分が置かれている状況の意味を理解するのでした。
フロックはリヴァイに理由を聞きます。
『・・・こいつを許してやってくれないか?』
『こいつは悪魔になるしかなかった』
『それを望んだのは俺たちだ』『そのうえ、一度は地獄から解放されたこいつを・・・』
『再び地獄に呼び戻そうとした・・・』
『お前と同じだ』『だがもう・・・休ませてやらねぇと・・・』
ベルトルトを食べきった巨人のアルミンを見るリヴァイ。
『・・・そうか』
倒れた巨人の首元から出てくるアルミン。
それを、仲間たちが迎え入れるのでした。
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