◆前回のあらすじ◆

父親からの使いがやって来て、珠彦に入学する学校が決まったことを伝えてきます。

受験日は2週間後の10月中旬。しかも『入学試験』『一年で受ける試験全て』『二年で受ける試験全て』を受け、全て優秀な成績をおさめ、飛び級で2年生から入学せよとのことでした。

珠彦はそれを受け入れますが、不安でいっぱいです。

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受験当日、珠彦は必ず合格すると決意し、受験場所へ向かうのでした。




◆大正処女御伽話◆

1巻
2巻(・・・・15話16話
3巻(17話18,19話20話21話22話
4巻(23話24話25話26話27話・28話・29話)

最新『大正処女御伽話』

◆登場キャラクター◆

160605-t92 志磨 珠彦(しま たまひこ)
お金持ちのお坊ちゃん。交通事故で母親と右腕の自由を失う。父親は息子を死んだものと扱い、千葉の田舎の別荘に追いやられてしまう。父親は珠彦の面倒を見させるため、お金で買ってきた『夕月』という少女を将来の嫁としてあてがう。
160605-t91 夕月(ゆづき)
借金のかたとして売られた少女。珠彦の嫁として志摩家に買われる。天真爛漫な性格で、料理など家事全般をこなしつつ、手の不自由な珠彦の面倒を見る。
160605-t93 志磨 珠子(しま たまこ)
夕月より2つ年下の珠彦の妹。頭は良いが性格がきつく、誰にでも悪態をつくとろこがある。本当は寂しがりや。神戸で医者を目指すため勉強している。
160605-t94 綾(りょう)
村に住む珠彦と同い年の少女。家が貧しく色々と悪いことをやらされることもある。弟や妹たちにはとても優しい良いお姉ちゃん。




受験結果はまだか・・・・・

高等学校の受験を受けてから一週間。

珠彦は合格通知が届くのを、今か今かと待ち構えています。

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珠子の火傷

合格結果がなかなか届かずボーっとする珠彦。

ユヅたちも、早く報告が来ないものかと心配します。

珠子は珠子で別のことを気にかけていました。自分もここに来てもう一ヶ月以上。合格通知が届くまでとは思っていたものの、そろそろ帰らなければ・・・・・と。

そんなことを考えていた珠子は、ついつい油断してしまいます。

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火傷を負ってしまった珠子。

ユヅとリョウは、『珠子の手は将来たくさんの人を治す手』だと言って、色々と面倒を見てあげることにしました。

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3人でお風呂

ユヅ、リョウ、珠子の3人でお風呂に入ります。

外では、珠彦が火を見ています。

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珠子は、こんなにも自分に良くしてくれる人が周りにいていて、嬉しく感じます。

志磨家の者には、そういう人間はいなかったからです。

珠子を怖がらせて楽しむ珠代

珠子がまだ6歳だったころの話。

7つ年上の姉である珠代がピアノを弾いていました。羨ましくて近寄る珠子。

珠代は笑顔で珠子を迎えますが、何故か『バタン!』と叩きつけるようにピアノを閉じ、珠子を怖がらせてしまいます。

ビックリして逃げ出す珠子。

珠代は珠子を追ってきて、驚かせてゴメンねと言い、一緒におままごとをやろうと言いだします。

珠代が用意したのは生きているイモ虫。

料理の材料と言って、包丁でイモ虫を真っ二つに切ってしまいました。

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怖がって泣き出してしまう珠子。

珠代はそれを嬉しそうに見つめるのでした。

相手にしてくれない家族

このことを父親に話そうとしますが、父親は忙しくて相手にしてくれません。

父親は使用人にお金を払い、珠子をかまってやってくれと頼みます。

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こうして珠子は、人に頼って自分が傷つくのを恐れ、一人で強く生きていくことを選ぶのでした。

私も一緒に落ち込みます!

過去のつらい出来事を話してくれた珠子を、ユヅはギュッと抱きしめます。

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『私も一緒に落ち込みます!』

そういうユヅに、リョウは励ますんじゃないのとツッコみますが、ユヅは人生山あり谷ありだから・・・・・と。

そんなユヅに

『ありがとございます、ユヅ姉様』

と珠子は恥ずかしそうにお礼を言うのでした。

明日、神戸へ戻ります

お風呂から上り、珠子はユヅに髪をとかしてもらいます。そして、明日、神戸へ戻ることを告げます。

珠子にとってここはとても暖かい場所であり、兄様をとてもうらやましく感じてしまうのです。

そして、自分にはもう帰る家がなく、ここで楽しく過ごすほど、優しくされるほど、一人になるのが不安でたまらなくなってしまうと。

珠子の心中を聞いたユヅは、珠子に枕を手渡すのでした。

一緒に寝てもいいですか

夜、布団に入って眠っている珠彦。

そこへ、珠子が訪ねてきました。

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思いがけない言葉に驚く珠彦でしたが、物悲しそうな珠子を見て、一緒に寝てあげることにしました。

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志磨家の話は辛いだけ

一緒の布団で眠る珠彦と珠子。

珠彦は、一人にしてすまなかったと謝ります。

しかし、珠子は『お兄様もおつらかったでしょうし』と気遣います。

そのやりとりで、珠彦は志磨家の話はやめとこうと判断します。お互い辛い思い出しかないからです。

冬休みに帰っておいで

『12月31日・・・ユヅの誕生日なんだ』
『今年こそ大いにユヅを祝ってやりたいんだ』
『みんなでさ・・・・・だから』

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『次の日はお参りに行って、おせち食べて』
『正月を過ごそう』

『きっとリョウたちも来るから』
『とてもにぎやかになるぞ』

その言葉を聞いて、珠子は泣き出してしまいます。

以前は仲が良くなかったのに、少しずつ、少しずつうちとけて、兄様ともっと一緒にいたいと思うようになって・・・・・

『どうした』
『寂しいならまだここにいたらどうだ』
『ここはもうお前の家でもあるんだから』

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しばしのお別れ

次の日、珠子は神戸に戻るため駅へやってきました。

見送りについてきたユヅとリョウ。珠彦は忘れ物があるということで、いったん家に戻ってしまいました。

ユヅとリョウは、珠子のためにこしらえたお弁当を手渡します。

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恥ずかしがりながらリョウのことを『リョウ姉様』と呼ぶ珠子。

もう汽車が発車する時刻です。

『また・・・冬休みにここへ帰ってきますわ』

そう言って、珠子は汽車に乗り込みます。

受かったぞー!

そこへ走って駆け付けてきた珠彦。

大きな声で、汽車に乗っている珠子に叫びます。

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『おめでとう兄様』

そう言って、珠子は神戸に行ってしまいました。

珠彦の忘れ物

珠彦は、忘れ物を取りに戻ったところ、ちょうど郵便屋さんと出会い、合格通知を手渡されたのです。

それで、忘れ物は一体何だったのかと聞くと、『珠彦特製のおむすび』でした。夜中にコッソリと珠子のために作ったのです。

仕方がないので、皆の昼食になりました。

珠彦、高等学校に通い始める

大正12年11月。

転入手続きが整い、いよいよ珠彦は高等学校に通い始めることになりました。

職員室に行ってみると、何やら多くの生徒が集まっています。

一体なんだろうと思い、中へ入ってみると、そこにはもう一人の転校生である『白鳥ことりちゃんの双子の兄』がいたのでした。

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◆感想◆

いよいよ、珠彦の『高等学校編』が始まりました! 珠彦の学ラン姿が見れて・・・・・誰得!?

というか、家から通うんでしょうかねぇ。それとも、どこかに住み込みとなってしまうのか? そもそも、一体、高校はどこにあるのか?

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うた・・・まくら・・・高等学校? もしかして『歌枕』で『かまくら』でしょうかねぇ? 『鎌倉』?

だとしたら、千葉からではちょっと遠いですよ。まぁ、ご都合主義で家の近くに高校がある的な話になるのかもしれませんが。

そして、ちょっと気になったのがこのシーン。

珠彦の布団にどっかりと座ってますやん。

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この当時の育ちのいい娘さんが、このようなことをするとは到底思えません。これは無いなぁと思いました。

しかし、想像力を膨らませてみますと

『始めは布団の外に座っていたものの、話をするうちにジリジリとすり寄って布団の上に乗っかってしまった珠子』

という状況を思いえがくこともできるわけでして。それはそれで大有りだなぁと考えを改めました(笑)。

アニメ化の際は、ぜひそのように表現していただきたいものです(決定事項)。

そして、このシーン。

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『ユヅ姉様に似てきた』という言葉を聞きますと、奥華子さんの『しあわせの鏡』という曲を思い出してしまいます。名曲です。よければ一度、ご試聴くださいませ。

奥華子『しあわせの鏡』

相変わらず、ツイッターの方で、作者さんが色々とやっているようですよ。

『コピック』によるアナログ絵のご紹介ツイートです。めっちゃうまい絵ですよねぇ♪

よくわかりませんが、フォロワーさんに勧められた『裸の推しキャラにフォロワーさんから言われたものを足してく』という催しを行ったようです。

それがこれらの絵。なんだか凄い状況になってますね(笑)。

といことで、単行本の第3巻、発売中とのことです!

気のせいか、若干検索数が上がっているように感じます。ニコニコ動画などで、現在1~2話まで無料で見ることが出るようになっていますので、そういったところから注目度が上がってきているのかもしれません。