◆大正処女御伽話◆
1巻
2巻(・・・・15話・16話)
3巻(17話・18,19話・20話・21話・22話)
4巻(23話・24話・25話・26話・27話・28話・29話)
◆登場キャラクター◆
志磨 珠彦(しま たまひこ) お金持ちのお坊ちゃん。交通事故で母親と右腕の自由を失う。父親は息子を死んだものと扱い、千葉の田舎の別荘に追いやられてしまう。父親は珠彦の面倒を見させるため、お金で買ってきた『夕月』という少女を将来の嫁としてあてがう。 |
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夕月(ゆづき) 借金のかたとして売られた少女。珠彦の嫁として志摩家に買われる。天真爛漫な性格で、料理など家事全般をこなしつつ、手の不自由な珠彦の面倒を見る。 |
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志磨 珠子(しま たまこ) 夕月より2つ年下の珠彦の妹。頭は良いが性格がきつく、誰にでも悪態をつくとろこがある。本当は寂しがりや。神戸で医者を目指すため勉強している。 |
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綾(りょう) 村に住む珠彦と同い年の少女。家が貧しく色々と悪いことをやらされることもある。弟や妹たちにはとても優しい良いお姉ちゃん。 |
散歩に誘うユヅ
父親の手紙で落ち込んでから3日目。
珠彦はまだ尾を引いていました。なかなか気持ちを切り替えることができません。
そんな珠彦を心配して、ユヅは一緒に散歩に行かないかと誘います。
何だか必死に言ってくるユヅ。
珠彦は聞き入れることにしました。
山の小さいお稲荷さん
ユヅの目的地は、山の方へ少し上ったところにあります。
何があるかはついてのお楽しみです。
道のわきを見てみると、綺麗な小川がありました。
もう何ヶ月も住んでいるのに、家の周りにこんなに美しい景色があったとは・・・と驚く珠彦。
そして、ユヅの目的地に着きます。
そこにあったのは立派な木。
木の根元にある大きな穴を覗いてみると・・・・・小さいお稲荷さんが置かれてありました。
それを見た珠彦の顔は、少し和らぎます。
冬も終わり、もうすぐ春・・・
脇の方に、先ほどの小川の水源となる湧水がありました。
ユヅは手ですくって飲んでみます。
『うーん、おいしい~』
珠彦も一緒にのなって飲んでみますが・・・片手ではあまり飲めません。
そこで、ユユヅが両手ですくって飲ませてあげます。
こっぱずかしくなり、お互い照れながら山を下りていきます。
下の方では、綺麗なお花畑が広がっていました。
珠彦の心も、冬から春へと向かっていくのでした。
珠彦の心の氷も溶けていく様