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【大正処女御伽話】第21話:ユヅ語り【ネタバレ感想】

◆大正処女御伽話◆

1巻
2巻(・・・・15話16話
3巻(17話18,19話20話21話22話
4巻(23話24話25話26話27話・28話・29話)

最新『大正処女御伽話』

◆登場キャラクター◆

志磨 珠彦(しま たまひこ)
お金持ちのお坊ちゃん。交通事故で母親と右腕の自由を失う。父親は息子を死んだものと扱い、千葉の田舎の別荘に追いやられてしまう。父親は珠彦の面倒を見させるため、お金で買ってきた『夕月』という少女を将来の嫁としてあてがう。
夕月(ゆづき)
借金のかたとして売られた少女。珠彦の嫁として志摩家に買われる。天真爛漫な性格で、料理など家事全般をこなしつつ、手の不自由な珠彦の面倒を見る。
志磨 珠子(しま たまこ)
夕月より2つ年下の珠彦の妹。頭は良いが性格がきつく、誰にでも悪態をつくとろこがある。本当は寂しがりや。神戸で医者を目指すため勉強している。
綾(りょう)
村に住む珠彦と同い年の少女。家が貧しく色々と悪いことをやらされることもある。弟や妹たちにはとても優しい良いお姉ちゃん。




ユヅの看病をする珠彦

やっとの思いでユヅを見つけた珠彦は、ユヅを叔父の診療所へ連れていき看病をします。

ユヅは赤間を少し切り衰弱していましたが、命に別状はありませんでした。

しかし、意識が回復しません。

このまま眠り続けていたら衰弱死してしまいます。

珠彦はユヅが早く目を覚ましてくれるよう、そばでずっとユヅに呼びかけます。

(ユヅ語り)珠彦の元へ

始めてみた珠彦は、顔は青白く、声も体もか細く、まるで病のある人のようでした。

なぜそうなのか。

ユヅはここに来る途中、珠彦の父親と会話をすることでなんとなく理解できました。

(ユヅ語り)珠彦の父親

ユヅは珠彦の元へ来る途中まで、珠彦の父親の車で送ってもらっていました。

珠彦の父親はユヅに珠彦のことを説明します。

『セガレは事故で右手が不自由になってしまって』
『私の役に立ちそうもないから』
『別荘にでも閉じ込めておこうと思ってね』

『君はその世話を頼むよ』

(ユヅ語り)私を大切にして下さる

ユヅはとても不安でした。

自暴自棄となって、自分に辛く当たってくるかもしれない。

しかし、自分は買われた身。逆らうことはできません。

例え乱暴されても、者扱いされ泣かされても、珠彦のお嫁さんになるほかないのです。

そんなことを考えていたユヅに、珠彦は

『風邪をひくといけない』
『羽織たまえ』

そういって自分の上着をかけてくれました。

以降、ユヅは珠彦のひとりぼっちの寂しさが癒えるよう、ずっとそばにいようと誓います。

(ユヅ語り)東京で見た父と子

ユヅの着物を汚しダメにしてしまったお詫びとして、東京へ反物を買いに行く珠彦とユヅ。

そこで珠彦は、仲の良い父と子の姿を見かけます。

父親に冷たい仕打ちを受けた珠彦には、あの父と子が果たしてどう移ったのだろうかと、気にやむユヅ。

(ユヅ語り)珠彦様のお側に・・・

ずっと一人でいた珠彦は、辛いこと、悲しいことがあっても一人で抱え込んでしまいます。

そんな珠彦を、ユヅは優しく包み込んであげるのでした。

『・・・君は少々お人好しが過ぎないか?』

照れながら言う珠彦に

『よく言われます』
『きっと私の性分なんだと思います』

と答えるユヅ。

ユヅは珠彦が笑うと嬉しくてたまりません。

ずっと一緒にいたい、そう思っています。

(ユヅ語り)珠彦様のお側に・・・

『君はこの花の様だって云って』
『このシオリくれたじゃない』

そういうリョウの言葉を、珠彦は否定します。

ユヅが破り捨ててしまったシオリを、貼り付けて元に戻そうとする珠彦。

『桔梗の花言葉は「変わらぬ愛」なのだろう』
『それなら、どんな形になっても』
『込められてる思いは絶対に変わらない』
『と、思うんだ』

それは、ユヅが初めて珠彦に出会った時に感じたものであり、ずっと与えてくれていたものでした。

そんな珠彦だからこそ、ユヅはずっと側にいたいと感じていたのだと、改めて思うのでした。

(ユヅ語り)島崎藤村「初恋」

まだあげ初(そ)めし 前髪の
林檎のもとに 見えしとき

前にさしたる 花櫛(はなぐし)の
花ある君と 思ひけり

やさしく白き 手をのべて
林檎をわれにあたへしは

薄紅の 秋の実に
人こひ初(そ)めし はじめなり

わがこころなき ためいきの
その髪の毛に かかるとき

詩を読みながら、あの時のことを思い出すユヅ。

自分の思いを珠彦に伝えようと考え始めます。

(ユヅ語り)伝えられない気持ち

ユヅは自分の気持ちを珠彦に伝えようとします。

しかし、なぜか言葉が出てきません。

色々とタイミングを見計らって言おうとするのですが、どうしても言葉が出てきません。

いつものユヅなら言いたいことはすぐ言えてしまうのに。

そこで、珠彦の誕生日の日に伝えようと決意します。

言葉でいうのが無理なら、手紙で伝えようと。

ユヅの思いは募ります。




(ユヅ語り)関東大震災

東京にいたユヅと美鳥は、関東大震災で発生した炎から逃げ回っていました。

一息ついたのもつかの間、風向きが変わり、ユヅ達の方へ炎が向かってきます。

そして、逃げ遅れた者達は皆、焼かれてしまいました。

ユヅと美鳥は途方にくれます。

意識を取り戻すユヅ

珠彦に自分の気持ちを伝えることが出来なかったことへの後悔。

そんな暗い気持ちのユヅに呼びかける声が聞こえてきます。

『ユヅ!』

目を覚ましたユヅの目の前にいたのは珠彦でした。

『良かった・・・』
『やっと、僕の声が届いた・・・』

初めは何が何だかわからないユヅでしたが、今までのできごとと、珠彦が目の前にいる安心感から、涙があふれてきました。

◆感想◆

まだ容態はハッキリとしていませんが、ユヅは何とか無事のようですね。本当に良かった!

しかし、話の流れからしますと、ユヅは関東大震災がおこってすぐは、怪我もなく、美鳥さんと普通に逃げ回っていたようですね。

では、いつ、どういった状況で頭を怪我して意識を失うような事態になったのかなぁという疑問が残ります。それもまた、後々語られるのかな?

綾太郎がどうなったのかもまだわかりません。

リョウが診療所にいて、珠彦のことを気にかけていたということは、もう見つかったのか、それとも・・・・・。

何にしても、まだまだモヤモヤが残ります。

最後に出てきた珠彦の父親と姉らしき人物。

珠彦が東京にいるということは知らないはずです。ということは、叔父さんか珠子に用事があるということでしょうかねぇ? わざわざ被災している東京に来るほどの用事とはいったい・・・・・?

来月も、一波乱ありそうですね。

8月ということで、なかなかに暑い日が続きます。公式のツイッターの画像を張っておきますので、それを見て、暑い夏を乗り切りましょう!

公式ツイッター

夏らしいイラストでした。