◆進撃の巨人◆
本に書かれてあった内容
地下室に行ったエレンたちが手にしたのは3冊の本と一枚の写真。
そこには、幼いころのエレンの父親グリシャの過去が語られてありました。
飛行船を見に行くグリシャと妹のフェイ
グリシャは妹のフェイと一緒に飛んでいる『飛行船』を見に行きます。
飛行船は、空高く優雅に飛んでいました。
グリシャとフェイは飛行船が珍しくてたまりません。
どうやって飛んでいるのか、誰が乗っているのか、あそこからどのような景色が見えるのか・・・・・。
金持ちになれるわけのない貧乏人の自分たちには夢のような光景だったのです。
検問を突破し、外へ
飛行船は検問の外へ飛んで行ってしまいました。
名残惜しそうに見つめる妹のフェイ。
ギリシャはフェイを検問の外にある『発着場』まで見に行こうと誘います。しかし、それは絶対にダメだと母親に注意されていることでした。
ギリシャは妹を引き連れ、検問の隙を見て、勝手に外に出てしまいます。
治安当局の人間に捕まる
発着場にたどり着いた2人。
妹のフェイは飛行船を間近で見れてとても嬉しそうです。
そんな妹を見れて、ギリシャもとても嬉しい気持ちになりました。
その時、土手で寝転がって休憩していた男2人に声をかけられます。治安当局の人間でした。
男たちはグリシャ達がリベリオ収容区の者だと気付き『外出許可証』の提示を要求してきます。
グリシャとフェイは検問を勝手に突破してきたため、持っていません。
許可なくリベリオ収容区の者が市内に入れば『労働』か『制裁』のどちらかを受けなければなりません。
グリシャは『制裁(暴行)』を希望します。親に迷惑をかけたくはないからです。
そして、妹を強引に連れてきたのは自分だから、フェイの分の制裁も自分に下さいとお願いします。
激しい暴行を受けるグリシャ。
フェイは別の男に連れられて、先に帰宅させられるのでした。
帰ってこなかった妹
その後、家に帰っても妹は帰ってきていませんでした。
翌日、フェイは川の近くでボロボロの姿で発見されました。
治安当局の説明
妹が死んだことで、昨日の治安当局の人間が説明に来ます。
・リベリオの手前まで送ってあげた
・仕事が忙しかったから以降は知らない
・そもそも、エルディア人が勝手に市内に入るのが悪い
説明は、妹の死の真相よりも、グリシャ達が勝手に市内に入ったこと、そして、子供たちにエルディア人の過去の過ちの教育がしっかりなされていないことに関しての避難に終始していました。
その話を聞き、母親は悲しみで黙って涙を流し、父親は男たちにへりくだり謝罪するだけでした。
エルディア人の歴史
ユミルが死んだ後、その能力は『9つの巨人』に魂を分けられ、その強靭な能力により『エルティア帝国』が築かれました。
デルティアは、その当時の最強の国であった『大国マーレ』を滅ぼし、大陸の支配者となります。
それから1700年間は暗黒の時代です。
絶対的な巨人の力を持つアリディア人は、他の民族を下等人種と決めつけ、弾圧をおこなったのです。
しかし、水面下で動いていた大国マーレは、エルディアの内部に侵入し、内部工作でエルディアの弱体化に成功します。
さらに、80年前、『9つの巨人』のうちの7つを入手し、『巨人大戦』と呼ばれる戦いにも勝利したのです。
大陸に残された自分たちエルディア人の残党はマーレ人の恩情により、生きる土地を与えて貰えたのです。
父親はそう言って、グリシャにマーレの素晴らしさを説明するのでした。
納得できないグリシャ
その説明を聞いたグリシャは思います。
父親はご主人の言いつけを忠実に守り、己の先祖を侮辱する犬のようなものであると。
グリシャは、あの男が嘘をついていたと言います。きっとフェイを殺したのも・・・・・。
しかし父親は『黙れ!!』と怒鳴りつけます。
もし『イエーガー一家が治安当局に恨みを持っている』などといううわさが流れてしまったら、もうおしましです。
例え納得がいかないとしても、自分たちは沈黙し、ここで生きていくしかできないのです。
グリシャは、その理不尽で狂った状況を納得し、受け入れるしかありませんでした。
妹フェイが死んだ真相
それから数年たち、18になったグリシャは父親の診療所を手伝っていました。
そんな時、一人の患者が現れます。
その男は自分を『エルディア復権派』を名乗り、グリシャを勧誘しに来たのです。
マーレ政府に内通者がいる彼らは、グリシャに妹フェイが死んだ真相を伝えます。
『フクロウ』達の協力
マーレ政府の内通者は『フクロウ』と呼ばれています。
『フクロウ』達は、復権派と接触することは無く、武器や資金、そしてエルディア人が知りえない歴史分権を提供してくれます。
古語で書かれてあるためほとんど読むことはできませんが、載っている絵などを参考に、グリシャたちは過去を推測します。
巨人の力は富をもたらし、人々を豊かにし、大陸を発展させたに違いありません。
皆は改めて、エルディアの復活を誓うのでした。
王家の血を引く者
フクロウの案内で、一人の女性が現れます。
『ダイナ・フリッツ』。王家の血を引く者だと名乗ります。
彼女は話します。
かつての『巨人大戦の末期』、王家は島に逃れましたが、それを拒み、大陸にとどまった一族が存在したのです。彼女はその末裔であり、その血筋は、今、彼女一人のみとなってしまいました。
エルディア復活の鍵
復権派は、彼女の情報と今までの情報を照らし合わせ、確信を得ます。
しかし、皆は疑問に思います。なぜそれほどにも巨大な力を持つ『始祖の巨人』を持っていながら、フリッツ王は島に退いてしまったのか?
80年前の『巨人大戦』のきっかけ
ダイナ(王家の血を引く者)は答えます。
それは、王が戦うことを否定してしまったからだと。
そもそも『巨人大戦』が始まったきっかけは、145代目の王が『始祖の巨人』を継承したことが始まりです。
今までは8つの巨人能力を持つ家同士が小競り合いを行うような争いはあったのですが、王家が『始祖の巨人』の力を使うことで、何とか平穏は護られていたのです。
しかし、145代目はその役割を放棄し、島に閉じこもってしまったのです。
それ以降、大陸に取り残されたエルディア人は、迫害を受けるようになってしまったのでした。
『始祖の巨人』を取り戻そう!!
この話を聞き、グリシャは戦うことを決意します。
島に閉じこもり、大陸のエルディア人を見捨てた王たちを許すわけにはいきません。
自分たちのやるべきことは『逃げた王から”始祖の巨人”を取り戻す』ことです。
・始祖の巨人を取り戻す
・大陸にとどまった王家こそ『真の王家』
・真の王家に始祖の巨人を納め直す
グリシャとダイナは結婚
翌年、グリシャとダイナは結婚しました。
そして、男の子供が出来ました。名前は『ジーク』。
きっとこの子は、自分たちを勝利に導いてくれるだろうと、グリシャは考えるのでした。
マーレ政府の通告!
マーレ政府はエルディア人を集め通告します。
何とパラディ島に逃げた悪のフリッツ王が宣戦布告を行ってきたのです。大陸の支配者になるために戦いを仕掛けてくると。
それを阻止するためにマーレ政府は、エルディア人から戦士を選出し、戦いの準備を行うというのです。
マーレ政府が募集する戦士の条件は『5~7歳の健康な男子女子』。
その中から極少数を厳選し、『7つの巨人を継承するに値する器かどうか』を判断するというのです。
もしこの『戦士』に選ばれたとするならば、その一族は『名誉マーレ人』の称号を与えられ、この国での自由も保証されるというものでした。
マーレ政府が動き出した理由
思いもよらぬ話に戸惑う復権派。
そこへ、フクロウから今回の事態の内情が記された手紙が届きます。
その手紙にはこう書かれてありました。
・資源戦争にいち早く対応するため
・軍事技術の発展により、巨人の力が絶対ではなくなりつつある
・これからは燃料が重要となる時代が訪れる
・パラディ島には莫大な化石燃料が埋蔵されている
つまり、化石燃料を調達するためには、島に閉じこもったフリッツ王たちが邪魔なのです。
それで、マール政府が考えた策が『フリッツ王たちを刺激せずに、壁内に侵入し、”始祖の巨人”を奪還する事』なのです。
これはほとんど、復権派たちが掲げている『始祖の巨人奪還作戦』と同じものでした。
このままではマーレ政府に先を越されてしまいます。
息子『ジーク』を『マーレの戦士』に!
そこでグリシャが考えた策は『自分んお息子”ジーク”を”マーレの戦士”にすること』でした。
エルディアの誇りを託しつつ、敵国に忠誠を誓うマーレの戦士になるよう仕向けたのです。事実上のスパイ作戦です。
しかし、ことはそううまくはいきませんでした。
自分たちの息子は、思い通りに動いてはくれなかったのです・・・・・。