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星野がまだ中学生だったころ、弓削先生はまだ『先生』ではなく、無職でした。

絵のコンクールなどに自分の絵を送っていましたが、いつも『選外』で賞を受けることはありませんでした。

◆星野目をつぶって◆

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最新『星野目をつぶって』




中学に入ったばかりの星野

夜、弓削は絵のコンクールの発表通知をを見ていました。また『選外』です。弓削は深いため息を吐きます。

そこへ、『コンコン』とノック音が。星野です。

『おっねーちゃん!』

そう言って、元気よく飛び込んできました。

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先日、中学になったばかりの歳の離れた幼馴染です。弓削にとてもなついており、弓削にとっては妹のような存在です。

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星野は弓削にカラオケに行った話をします。本当は言ったことないのですが、それがバレないよう必死だったようです。

弓削は部活はどうするのかと聞きます。小学校の頃はスポーツが得意だったので何か入ることを勧めますが、星野は『なんない!』と突っぱねます。

以前は野球をやる活発な女の子だったようですが、『スポーツを一生懸命頑張る』というスタイルは、今のメイクをしている自分んおイメージに合わないと考えているようです。何より、それをみた友人が引いてしまうことを心配しています。

何より、スポーツをやると絶対にメイクが崩れます。それを一番心配しているようです。

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おそらく、星野は小学校時代、浮いた感じの女の子だったのでしょう。その時と同じ経験をしたくはないという考えが強いようです。

弓削はそんな星野の考え方を心配しますが、星野は強烈に受け付けようとはしません!

『うるさいっ!!!』

弓削はビックリです。

『だいたい・・・!』
『お姉ちゃんが私を変身させてやるって言ったじゃん・・・!』
『お姉ちゃんが言ってくれたから・・・私・・・!!』

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『お姉ちゃんなんかハローワーク行けばいいんだーっ!!』

弓削『あっ! コラ!』

星野は言うだけ言って、その場を去ってしまいました。

言い過ぎたことを後悔

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学校で、星野は少し落ち込んでいます。弓削に対して言いすぎてしまったからです。今、こうしてメイクで楽しい学校生活を送れているのもすべて弓削のおかげです。昨日のことを後悔し始めています。

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次の授業の体育のため着替えに向かっている最中、犬に遭遇してしまいました。

犬に舐められメイクが落ちてしまう

中学校の門の前にいた弓削の携帯にメールが来ます。星野からのSOSでした。

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どこからか入ってきた犬に顔を舐められてしまい、メイクが落ちてしまったんです。これではみんなのところに戻れません。

星野は体育用具室の中に隠れています。

いくら弓削にSOSのメールを送ったとしても、学校から家までかなり遠い距離です。何より、昨日、酷いことを言ってしまいました。星野は膝を抱えて落ち込みます。

学校内に入ってきた不審者

星野が涙ぐんでいると、外から声が聞こえてきました。

『コラー! 待ちなさい・・・!』
『不審者だ、追えー!』
『・・・クソッどこにいった!?』

どこからか聞こえてきたその声のあと足音が聞こえ、体育用具室の窓がガタガタと開きだしました。

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『みーちゃん、助けてほしいならもっと見つけやすいトコにいてよ』

弓削が来たことで、星野は安心して号泣してしまいます。弓削は星野を泣き止ませ、タオルで顔を拭くとメイクを始めました。




放課後

弓削は結局、放課後まで星野を待っていました。星野は弓削を見つけるなり飛びつきます。

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急に弓削は星野のメイクを布ですべてふき落してしまいます。学校の人に見られると騒ぐ星野でしたが、『大丈夫大丈夫、そのためにわざわざ遠くの中学受験したんでしょ?』と答える弓削。

弓削にとってはスッピンの星野の方が落ち着くようです。

星野は弓削がメイクをあまりよく思っていないだろうと心配していますが弓削はそれを否定します。

『いいんじゃない?』
『今のみーちゃんを皆が好きでいてくれてるなら』
『それを貫きとおすのも立派なことだと思うよ』

そういってくれました。

でも、さすがに今日みたいなことは気を付けてほしいなぁと。

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星野の思いがけない言葉でしたが、その後、それを実現させてしまったようですね。

あとがき

星野の中学時代の話でした。といいますか、星野がまだメイクを始めて間もないような頃のようです。

どうやら星野は小学校時代、運動神経が良く、野球をやるような活発な女の子だったようです。しかし、何かがあって孤立気味になったということなんでしょうかね? 少し、辛い思い出があるようです。

それに助け舟を出してくれたのが弓削です。メイクをすることで、今までとはまったく違う自分になり、周りもとても友好的に接してくれるようになりました。

それを絶対的なものにするため、今までの自分を知らないであろう遠くの中学を選んで、メイクで自分を変えてしまおうとしたんでしょうね。

これが良いことだったのかどうか、なかなか判断の難しいところです。

ただ・・・一点気になったのですが・・・プールは一体どうするんでしょうね? 顔が完全に濡れてしまいますよ。プールのない学校なんてないと思いますし・・・・・。

おそらく、この作品では『プール』とか『水着』とかは期待できないんだろうなと思えてなりません(笑)。