【親なるもの断崖】芸者として強く生きた武子のネタバレ紹介！

青森から北海道の室蘭へ売られてきた少女たち。

東条キャラクターの３人は壮絶な人生の終わりを迎えますが、唯一、武子のみが最後まで生き残ります。

今回はその武子に焦点を絞って紹介していきます。

親なるもの断崖～目次～

第１部：（お梅・武子・道子）
第２部：（道生）：（お梅・武子）

器量よしの武子

武子はもともと、売られることを前提に育てられた娘でした。

その事実を受け入れ生きてきた武子。

ある意味、最も心の準備ができていたのです。

武子は最初から女将に気に入ってもらえていました。

１３歳にして、色気もあり生き方を知っていたからです。

（遊廊に売られてくる娘の中には）
（小学校もろくに通わせてもらてない者も多かった）
（教養などとは程遠く、かけられた言葉への返事もできぬ娘も多かった）

（ましてよあきちっと挨拶できる娘など稀だったのである）
（そして、そういう娘は必ずと言っていいほど出世した）

お梅と道子を大切に思う武子

武子は女将に認められて、芸妓の道へ進みます。

女郎の道へ進むお梅。

下働きのままの道子。

置かれた待遇は全く違うものの、武子はお梅も、道子も大切に扱いました。

苦しみ続ける武子

芸妓への道は大変なものでした。

厳しい師匠からの指導。

嫌味な先輩芸妓からの嫌がらせ。

それでも、武子は死んでも『一本』になるしかありません。

その道しかないのです。

ここで負けてしまっては、女郎と変わらない境遇へ落ちてしまいます。

弱気になるといつも見る悪夢。

その中には、首を吊った松恵の姿も・・・・・。

船乗りとの出会い

武子の前に現れたのは、同じ青森出身の船乗り。

武子は船乗りと心中しようとしますが、寸前で阻止されます。

相手の男は逃げてしまいました。

力をつけてくる武子

次第に武子は先輩からも嫉妬される存在になってきました。

ラジオを使って、京の言葉をも憶え始めます。

武子
『うちは京都の九条・・・』
『今はもう落ちぶれた公家の出身』
『お家のために葛西に売られたのどす・・・』

武子は生まれ変わります。

武子の赤ん坊

女将にとって、武子は自分の分身のように育てている半玉。

負の遺産を許すことは許しません。

武子のお腹には船乗りとの赤ん坊がいました。

しかし、赤ん坊は産声をあげることを許されませんでした。

武子の後ろだて『大林盛康』

武子の後継人として民生会の大林盛康が名乗りをあげます。

武子の『一本』の面倒を見てくれる存在。かなりの大物です。

武子は大きな後ろだてを得ることに成功します。

お梅の駆け落ち

お梅の思想犯との駆け落ち。

武子は後ろ盾である大林に相談を入れますが、思想犯だけは無理だと言われます。

どうすることもできないと思われたお梅。

しかし、お梅は自分を『道子』と名乗り、死んだのが『お梅』だと言い張りました。

そのおかげで、お梅は何とか生きながらえることが出来ました。

お梅が死を覚悟して、武子にわたしていた手紙。

『いつも女郎たちはお腹がすいていました』
『毎日どの女郎もあそこが痛い痛いと言ってます』
『病気になっても客を取らされます』

商談がうまくいく芸妓

大林は商談の際、葛西の武子をいつも連れていました。

中には昇段の難しい相手もいます。

そんな時、武子が口を挟めば、いつもうまくいくのです。

『商談がうまくいく芸妓』

武子は北海道中の評判を集めるようになります。

武子の策略

武子は以前より、女将から葛西を乗っ取ることを考えていました。

大林もそれに協力します。

計画は着実に進行していきます。

梅子の縁談を進める

梅子を見受けしたいという話は３年前からありました。

しかし、梅子はそれをしぶっています。

諭吉を問い詰め、その話を知った武子は、強引に縁談をすすめます。

武子の説得で、お梅は縁談を受け入れるのでした。

芸者を盗む

武子を自分の分身のように育ててきた女将。

その女将が育てた芸者を全て盗み、大林が用意した場所へ引き込んだのです。

こうして、武子は女将に復讐をなしとげるのでした。

◆感想◆

武子は芸妓という道を選びますが、結局、何をやるにしても女の武器を使用せざるを得ません。

やっていることは女郎と大差ないとも言えます。

そんな状況の中でも、大林の後ろ盾を利用し、何とか自分の思う道を進んでいきます。

第一部はここまでですが、この後、武子は女将から葛西を金で買い取ります。

良い芸者を全て奪われ何もできなくなった女将は、受け取ったお金で再起をはかろうともくろみますが・・・・・、追いはぎを雇い、女将からお金を全て奪ってしまいます。

こうして、女将は全てを失い、日雇いの仕事をしなければいけないところまで落ちぶれてしまうという話が第二部の方であります。