◆魔法使いの嫁◆
第6巻は9月10日発売予定
紙のカササギによる連絡
夜、チセとルツはベットの上で眠っていました。
すると、外から『コンコン・・・』と窓をたたく音が聞こえます。
チセは目を覚まし、窓の方を見ると、何かを首にぶら下げたカササギがいました。
エリアスとセントールの荷運びヘーゼル
朝、エリアスは荷運びを行ってくれているヘーゼルに届け物の荷物を渡します。
『じゃ、旦那様。たしかに預かりましたんで!』
エリアスは、いつもに運びはこのヘーゼルにお願いしています。最近は頼んでくれる人も少なくなってきているようで、ヘーゼルの方としても嬉しいようです。
少し気になったようで、エリアスは『なぜ君みたいなセントール(半人半馬)がに運び何て?』と聞きます。
どうやら『道楽』気分でやっているようです。ただ、何もせずに生活するよりも、自分の能力を使って色々なところに行くことが楽しいようです。
エリアスに隠れてでかけようとするチセ
エリアスとヘーゼルの会話をそっと物陰から様子をうかがうチセ。
昨夜きたカササギの手紙はアリスからでした。アリスに呼ばれてロンドンに行こうと考えています。
・・・が、エリアスにそれを話すと反対されそうです。
チセは簡単な置き手紙をして、夜までに帰ればバレないで済むかもしれないと考えました。
そして、エリアスにばれないよう、そっと出かけました。
チセを監視する道具
ヘーゼルがかえってしまった後、エリアスは、チセがいた辺りをみました。チセの存在に気づいていたようです。そして、どこかにでかけようとしていることも。
エリアスはアンジェリカからもらった道具を部屋から探し出し、目的を書き込んで外に放ちました。
そのクラゲのような道具は、上空からチセを監視するかのようにチセを追い、様子をうかがい続けます。
アリスとの待ち合わせのロンドンへ
チセとルツは、バスと電車を乗り継いで、目的地のロンドンへ到着しました。
待ち合わせ場所にはすでにアリスが来ています。
『えと・・・アリスさん!』
アリスは手を挙げて答えます。
もともと、連絡をとれるようアリスはチセに電話番号を教えていたのですが、チセの住んでいる家には電話がありません。
そのため、アリスは紙で作ったカササギを使って、チセに手紙を送ったんです。
飲食店でクリスマスプレゼントの相談
2人は飲食店に入り、食べながら話をすることにしました。
(女2人で食べるとは思えない大量の食事)
今回、アリスがチセを呼んだのは『レンフレッドへのクリスマスプレゼント』に関してでした。
アリスはレンフレッドへクリスマスプレゼントを贈りたいと考えているのですが、一体何をプレゼントすればいいのかわかりません。それでチセに相談したかった、というわけです。
(大量の食事に、周りの客が驚く(笑)
レンフレッドは身なりもいいし、なんでも食べるしで、アリスにとってはなかなかプレゼントとして贈るようなものが思いつきません。
昨年は、プレゼントをするどころか、逆にプレゼントをもらっていました。今年はお金がたまったから何かを贈りたいというわけです。
アリスは
『お・・・お前はなにかやらないのか? あの骨頭に』
と聞きます。
しばらく考えた後、チセは『・・・・・考えてなかった・・・。』と。
それで、チセとアリスは二人で自分の師匠(チセはエリアス)(アリスはレンフレッド)へのクリスマスプレゼントをさがすことにしました。
アリスとチセは『仲間』
チセは、以前、襲ってきたカルタフィルスの話をします。襲ってきていないかと心配しているようです。
アリスは大丈夫だと答えます。どうやら『手が出せない場所』にいつも身を隠しているようです。
ひとまずは安心ですね。
チセはプレゼント選びのことを心配します。どうやらチセは今まで誰かにプレゼントをあげたことがないようです。だから、どう役に立てるのかわからないようです。
それに対してアリスは一人で悩むよりずっといい、と。
どうやらアリスには声をかけるような人が周りにいないようです。
プレゼントを考えるアリスにとって声をかけ相談しやすいと思えたのがチセでした。
その話を聞き、チセも『私も声をかけるような人が居なくて・・・』と。
チセにとっても、アリスにとっても良い相談相手となる『仲間』ができました。
アリスとチセは『仲間』
プレゼント探しとして色々な店を回りますが、あまりピンとくるものがありません。
(まだ食べる2人(笑)
なかなか良いプレゼントも思いつきません。
ヘーゼルと遭遇
そこへ、荷物運びのヘーゼルが現れます。
チセが珍しく遠くに来ていたので声をかけたようです。
『エリアスには内緒にしてもらえますか?』というチセに『・・・バレてんじゃないですかい?』と答えるヘーゼル。あり得ると思ったのか、チセも黙ります。
アリスにはヘーゼルが見えていません。『チセ? 何と話してんだ?』と。
ヘーゼルによりますと、魔術師は魔法使いと違って常にこっち側と触れているわけではないので、何か準備しておかないと見えないようです。
そこで、ヘーゼルはひづめで地面を『カッカっ』とならし、アリスに存在を気づかせました。
ヘーゼル、アリスにご挨拶
『はじめまして、お嬢さん』
『何か届けるもんがあったら俺ヘーゼルまでよろしく!』
そう礼儀正しく挨拶します。
『あ、ああ、よろしく』と答えるアリス。
ヘーゼルによりますと、お届け物の依頼がある場合は『ハシバミの枝で12回古い石を叩く』というおまじないをすると、以来だとわかってかけつけてくるようです。
ヘーゼル、チセとアリスにクリスマスプレゼントのアドバイス
この時期は色々な人がクリスマスプレゼントを贈っています。ヘーゼルがロンドンに来ているのも、エリアスの依頼からです。
『2人もプレゼントを探しに来たんじゃないですか?』と聞かれ、2人は『何を贈ればいいのかわからなくて・・・』と困っている状況を打ち明けます。
それを聞き、ヘーゼルはアドバイスをくれました。
『その人んことをようく思い出して』
『何がすきかとかどんなものに喜んでいたとか何使うとか』
『普段を思い返せばとっかかりが見えてくると思うんでさぁ』
『プレゼントが重要なんじゃないんすよ』
『贈って贈られて』
『プレゼントを通して自分以外の誰かを想うのが今のクリスマスでさぁ』
なるほど・・・とチセとアリスは顔を見合わせます。
『まー人の好み何て真剣に考えてたらにっちもさっちもいかねえんで』
『あげたいモンあげるのが一番なんじゃないですかい?』
『喜んでくれりゃラッキーってな具合で』
そういって、ヘーゼルは残っていた荷物運びに戻りました。
アリスの昔の仲間
2人でクリスマスプレゼントの相談をしていると、アリスの昔の仲間である3人組の男とすれ違いました。
『おお、アリスじゃねぇか』
しばらく会わないから死んでしまっていたのではと思っていたようです。
アリスは無視しようとしますが、男たちは話を続けます。
『彼女と遊ぶ金欲しくねえか?』
『昔のよしみだ今なら格安で卸してやるぜ?』
そういって袋を見せます。チセは意味が分かりません。
どうやら麻薬の話だったようです。
アリスは完全に足を洗っているからと立ち去ろうとしますが、男たちは止めます。しかし、アリスは足を踏みつけ、蹴りを入れ突き飛ばしました。
他の男たちが襲って来ようとしましたが、チセの影の中に隠れていたルツが現れます。
凶暴なルツの表情に、男たちはたじろぎます。
そして、チセとアリスは走ってその場を逃げました。
アリスの昔話
チセはアリスが昔、薬をやっていたことを知り、アリスに直接聞きます。
『・・・薬っておいしいの?』
薬は心も体も壊れてしまうし、薬をぬくのも死にたくなるほどきついものだと、アリスは体験者として語ります。
アリスが薬をやめたきっかけは師匠との出会いでした。
街のスミで薬を売っているところへ師匠が現れました。
それがアリスと師匠との出会いでした。