大正処女御伽話のオリジナルストーリーです。原作とは一切関係ありません。
こちらは第2話目にあたりますので、読んでいない方は第1話目にあたる『(前編)坊ちゃんなら大丈夫!』の方を先に読んでください。
なお、原作よりもだいぶダークな内容にしております。原作のイメージを大事にしたい方は、引き返してください。
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◆大正処女御伽話◆
1巻(1話・2話・3話・4話・5話・6話・7話・8話)
2巻(9話・10話・11話・12話・13話・14話・15話・16話)
3巻(17話・18,19話・20話・21話・22話)
4巻(23話・24話・25話・26話・27話・28話・29話・30話)
5巻(31話・32話・33話・34,35話・36,37話・最終話)
(中編)目を覚ました怪物
僕の名前は珠彦。財閥の家に生まれた御曹司だ。
先日、僕は車で交通事故にあってしまい、右腕が動かなくなるという大怪我をおってしまった。
たったそれだけのことであるにもかかわらず、僕は父によって千葉の別荘に追放されてしまった。まったくもって、意味が分からない。
まぁ、深く考えていても仕方があるまい。僕は愛読書に専念することを心に決めた。
そんなある日のこと、吹雪の中、僕の元へやってきたのが『ユヅ』であった。
どうやら彼女は、父が僕のために用意した結婚相手であるようだ。何故、父はこのように身の丈の低い女子を僕にあてがったのだろうか。まったくもって理解に苦しむ。
だが、悪くない!!
僕は心臓がバックンバックンと破裂しそうなのを隠して、ユヅの前では、クールで余裕のある男を必死に演じた。愛読書によると、モテる男はかくあるべきなのだそうな。
そんな僕に対し・・・・・、先制攻撃を仕掛けてきたのはユヅの方であった。
この家に来てまだ間もないにもかかわらず、いきなり一緒に寝ようなどと言い出したのだ。僕の胸は高鳴る。
ところが・・・・・、僕の予想とは裏腹に、ユズは自分の布団を持参して来たのだ。なんと、同じ部屋で寝るだけであって、布団は別々だと言うのだ。どうやら軽くからかわれてしまったということらしい。まったくもって、恐ろしい女子だと言わざるをえない。
このまま主導権を握られてなるものか。男、珠彦17歳。まだまだ己を磨かねばなるまいて。
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それから2年の月日が流れた大正12年12月31日。この日は、ユヅの16歳の誕生日であった。
僕は誕生日プレゼントとして、ユヅに『コンパクト』を贈った。そして、今の僕の熱い想いをつづった手紙を読み上げた。これにはユヅもいたく感激したようだ。男を磨いてきたかいがあったというもの。
そんな僕を・・・・・ユヅはいきなり押し倒してきた。そして、チューをしてきたのである!
僕は驚いた。と、同時に、今まで男を磨くために抑えてきていたものが決壊したダムのごとく氾濫を起こしてしまったのだ。
僕はユヅを逆に押し倒した。
ユヅ
『た、珠彦様!?』
そして、そのままユヅの■■■を■■■■■■■■して■■■■■■■■た! それから■■■■■■して■■■■■■■■■■■■たのだ!
ユヅ
『た、珠彦様! 待ってください・・・!!』
『た・・・・・・・・!? ・・・・・・・・!!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
ユヅが何か叫んでいるような気もしたが、僕の耳には届かない。ただひたすらに、あのイカガワシイ本に書かれてある内容を実践することだけに夢中となった。
そして・・・・・・・
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目を覚ますと、もうお昼過ぎであった。どうやら朝まで■■■しており、そのまま眠ってしまっていたようだ。
・・・・・何という事だろう。まだあのイカガワシイ本の一冊分も実行にうつせていないというのに。あんなことや、こんなこともやってみたい。まだまだやりたいことは山のようにあるのだ。
・・・・・まぁいい。時間なら、これから幾らでもある。僕とユヅは結婚を約束しあった仲なのだから。
珠彦
『いい天気だな』
『これからユヅと■■■でもやるか』
僕はユヅがいるであろう部屋の襖を開けた。
そう・・・、ユヅとの楽しくて幸福な日々は・・・・・
>>(後編)に続く
◆あとがき◆
30話のユヅが出て行ってしまった話を読んだ時の私の率直な感想は『暗い話になってきたなぁ・・・・・』というものでした。何とか明るい話にできないものなのかな?と。そこで思いついたのが今回のこの話と言うわけです。どこがどう明るい話なのか・・・弁解の余地もありません。
というか、ユヅの置手紙の破壊力がすさまじかったんですよ。こういったネタを書いてくださいと言わんばかりに。
次回、ラストの後編は、闇落ち珠彦の締めくくりとなる話になっています。タイトルは『尋常ではない!』です。
まぁ、大した話ではありませんが、興味がありましたらお付き合いください。次回のジャンプSQの発売日6月5日あたりに公開予定です。
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