◆前回のあらすじ◆
白龍のピッチャーを打ちあぐねる中、6番レフトの降谷は外野の頭上を越えるフェンス直撃の長打を打ちます。しかし、降谷は2塁で止まらず、暴走気味に3塁へ。簡単にタッチアウトになってしまいます。
それを見ていた監督は、チームに悪影響を与えると判断。降谷を変えてしまいます。
5回裏の青道の攻撃。ノーアウトランナー無しで8番の金丸はスライダーに手を出しません。今までずっとスライダーを打とうとしてこなかった青道。『スライダーは狙い球にない』と白龍バッテリーに思わせるのが青道の狙いだったのです。
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◆ダイヤのA act2◆
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◆現在の試合状況◆
GW親善試合
『白龍高校』VS『青道高校』
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
白龍 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||
青道 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
新たな白龍の野球
5回まで青道の沢村に無得点に抑えられている白龍は、6回表の攻撃の前に円陣を組みます。
監督
『ここまで我々のヒットは5本』
『クセのある球をコーナーに投げ分ける制球力に』
『ランナーを背負ってからのマウンドさばき』
『打ちの走塁を意に介さない』
『好投手であることを、まず認めよう』『その上で我々にできることは何か・・・・・』
春の選抜で白龍に欠けていたもの。それは『打撃力』でした。
選抜以降、白龍は機動力をさらに生かせるよう、打撃の強化に磨きをかけてきたのです。
6回表、白龍の先頭バッターは2番レフトの宮尾。
打席に入った宮尾はベースよりギリギリに立ちます。しかも、バットはグリップエンドを目いっぱいにして持っています。これでは内角球に対応するのは困難。
御幸は、内を捨てて外に絞ることを考えているのだろうかと判断し、内角に構えます。
しかし・・・、それは白龍の作戦だったのです。
宮尾は内角を誘っていました。右足を外にずらすオープンスタンスで、内角球に対応。そして、狙いすまして振り抜き・・・ライト前ヒットです!
沢村に対する揺さぶり
ノーアウトでランナー1塁。
次のバッターは好打者の3番センターの美馬です。
沢村はまず1塁を確認。
機動力に自信のある白龍は、今までのどこのチームよりもリードが大きかったのですが、今回はさらに大きなリードを見せてきます。沢村を揺さぶっているのです。
そして、バッターの美馬も、先ほどの宮尾と同様、ベースよりギリギリに立ちます。今までにない打撃スタイルで、こちらも沢村を揺さぶってきます。
御幸が要求したのは意外にも『チェンジアップ』でした。それを外角に・・・・・、ボール!
御幸は、ランナーが盗塁する気が無いから、あんな大きなリードをしているのだと判断していました。
そして、美馬も予想通りオープンスタンスでのインコース狙いでした。
お互いの思考がぶつかり合います。
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美馬の本気モード
美馬が集中力を高め始めました。美馬は集中力が高まると無意識にイチローのような構え方になるのです。
油断するとやばいと感じ取った美幸は、内と外に投げ分け、何とか美馬を打ち取れないかと考えます。しかし、美馬は上手くカットしていき、なかなか打ち取れません。
しかも、制球力もよく、ボール球はしっかりと見ます。カウントは2-2。
美馬を打ち取るため、御幸が要求したのは『ナンバー7.カットボール改』。沢村にとって自信のある球。
外角から、さらに外に逃げていく球を・・・・・美馬はカットします! ファール! 美馬には見えているのです。
さすがに、沢村もこのバッターの凄さに気持ちが押されてしまいます。
沢村
『ヤベェ・・・・・』
『この人、ヤベェ・・・・・』
6球目はインコース・・・・・ボール! カウントは3-2。美馬の圧力で、沢村は力んでしまっています。
御幸
(これだけの打者、そう出会えるもんんじゃない・・・)
(だからこそ、己の持ってるモノ)
(全てをぶつける意味がある)
御幸は沢村に意外な球を要求します。
御幸が要求したのは、まだ完全とは言い難い『ナンバー11、スプリット』でした。
◆感想◆
◆走者:宮尾の大きなリードは、見せかけのリード
リードは『盗塁するぞ!』という意味でやるものですが、今回、走者の宮尾がやっている『大きなリード』は、あくまで『沢村を精神的に揺さぶる』ことを目的としたリードのようです。
盗塁もなかなか成功するものではありませんから、こういった『ピッチャーを精神的に揺さぶるためだけの大きなリード』ってのは戦術的によく使われるものなのかもしれませんね。
御幸はそれがわかっているから、『帰塁することだけに特化した見せかけのリード』だと見抜いたんだと思われます。
◆ナンバー11、スプリット
プロ野球をあまり見なくなって10年以上かな。そのせいか『スプリット』という変化球は聞き覚えがありません。パワプロで聞いたような気もするけど。
ということで調べてみました。
・スプリット
速い球速で縦に落ちるので、高速フォークともいわれます。スプリットは、ストレートと変わらないフォームで投げられるので、打者から見ると、投げられた瞬間は直球に見えますが、それが手元に来るといきなりスッと沈んで、球が消えてしまったかのように見えます。球が速いので変化の幅は小さいのですが、打撃ミスを誘いやすい球種です。ヤンキースの田中将大選手の決め球。
(参照元:http://www.tenki.jp/suppl/romisan/2015/04/23/3281.html)
なるほど『高速フォーク』のイメージになってくるようです。
御幸が『時期尚早かも』と言っているという事は、球が落ちずに、ただのストレートになってしまう可能性もあるってことなんでしょうかねぇ。そうなると・・・・・ツーランホームランになってしまいそうな予感・・・・・(笑)。
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